現役鍼灸師が伝授!〜こむら返りとおさらばしよう〜
いよいよ7月!気温や湿度もどんどん上がり過ごしにくい季節になります。
僕の勤務する院ではこの時期になると夜中にこむら返りするという患者様が急激に増えます。言われてみれば夏になるとふくらはぎがよくつるなぁ。と思った方も少なくないはずです!!
そんな方に朗報。
この記事を読んで今日でこむら返りとはおさらばしましょう!!
足がつるってどんな状態??
これは筋痙攣という状態のことを言います。
筋痙攣とは、突然起こる不随意収縮で、何らかの原因によって運動神経の一部(運動神経末端)に不具合が生じるために起こります。
*不随意 ‥‥ 意に反してという意味です。
*簡単に説明すると自分の意思とは関係なく勝手に筋肉が縮こまるって感じです(^^)
(写真はめっちゃ自分の意思で動いてますが笑)
原因と対処法
電解質(ミネラル)のバランス失調
夏になると大量の汗をかきます。
汗をかくことで体内の水分だけでなくカルシウム、ナトリウム、カリウムなどの電解質も失われ、その結果バランス失調が起こり、足がつりやすくなります。
*電解質は筋収縮に関与しています
対策
夏場は特に水分補給だけでなくミネラルの補給もこまめに行いましょう(スポーツドリンクなど)
また同じ水分でもお茶(種類による)やビールなどは利尿作用があるため返って水分不足になる可能性があります。
血行障害
血行障害が起きると身体中に電解質を届ける働きが悪くなり、その結果筋痙攣が起こりやすくなります。
血行障害が起きる原因は①冷え ②筋力低下 などが考えられます。
夏になると室内はどこに行っても冷房がきいています。
冷気は床上に溜まりやすいため夏は特に足が冷えやすいです。
また筋力は20代をピークに徐々に低下していくと言われているので定期的な運動を心がけましょう。
対策
①入浴、お灸、軽い運動などで体を温める
*お灸は冷え性改善にもかなり効果的です
②適度な運動、筋トレで筋力の維持もしくは増量
筋疲労
激しい運動や長時間の立ち仕事、育児や家事など同じ動作を繰り返し行うことで筋肉が疲労します。
最近では筋肉が疲労する原因としてよく聞く「乳酸」は実は疲労物質ではなかった!!や「活性酸素」の関与があるなどいろんな説があるようです。
対策
①血流を良くする(軽い運動、ストレッチ、入浴など)
②クエン酸+BCAAを摂取
*BCAAは筋肉のタンパク質分解を抑制し筋肉疲労や筋肉損傷を軽減できると考えられている
③タンパク質、ビタミンB群などの筋肉疲労回復に良い食事
④睡眠(成長ホルモン分泌)
筋痙攣が起こりやすい人
中年以降の方(特に高齢者)
若い時に比べて運動量が減少し加齢とともに筋肉量の低下がおきます。
その結果血流が悪くなり疲労物質の排出がしづらくなります。
(原因の血流障害に当てはまる)
妊婦
子宮が血管を圧迫したり、ホルモンによる足のむくみ、運動量の低下などが原因となり血流障害が起きやすい身体になるため筋痙攣も起こりやすくなります。
(原因の血流障害に当てはまる)
できるだけ早く筋痙攣を止めたい時(予防したい時)
①芍薬甘草湯(漢方)
効果
筋肉のけいれんを鎮め、痛みを和らげる作用があるといわれ、体力に関係なく使用することができます。
こむらがえりや痛みなどの症状があるときにのみ使用しましょう。
*心疾患のある方は使用注意
②ストレッチ
ふくらはぎが筋痙攣を起こした際は足の親指を自分の体の方に曲げてふくらはぎを伸ばしましょう(筋痙攣が落ち着くまで)
③鍼灸院で定期的なケア(予防にもなります)
鍼灸治療は血流改善が得意で疲労回復にも効果的。
他にも身体全体のバランス(体調面)を整えてくれる作用があります。
いろいろ試しても筋痙攣が起こる回数が多く生活に支障が出てしまう場合
重篤な病気が隠れている可能性があるので手足が痺れる、足が異常にむくむなど他の症状がある場合は早急に医療機関を受診してください。
可能性のある疾患
代謝異常、血管病変、神経系疾患、内分泌疾患など
まとめ
ここまで読んでお気付きの方も多いと思いますが筋痙攣の原因はいくつかありますが主な原因はミネラルの不足を除いて血行障害が多いです。
これらをふまえると、汗を大量にかき、体が冷えやすい夏に筋痙攣を起こす方が増えるのが分かりますね!!
日頃から血行障害に対しての予防を行えば「あの痛くてなんとも言えない痛さ」にあうこともなさそうですね!!
血行障害の予防をするのがめんどくさい!という方は是非お近くの鍼灸院へ。
筋痙攣だけでなくいろんなお身体の悩みに対して治療、予防をしてもらえると思います!!
ありがとうございました。